改めて読み返して思うことは90年代の佐藤大輔小説は面白い。2000年代の作品はそれほど印象に残っていないのと、これはテーマの問題だと思うが、世にあふれる同じような学園モノをゴーヤ名義も含め結構書いていたが、イマイチだった。ノリは確かに佐藤大輔だが、テーマが学園モノとなると他と結局似たモノになっているように思える。仮想戦記という分野はテーマとしてマイナーだから新鮮味があり面白い。ただ、全く興味のない人には受け入れられることはないだろう。学園モノは皆同じように学生をすごしてきたからそれをテーマにしたジャンルは受け入れやすいのだろう。仮想戦記ものは基礎知識なしでもいい作品は面白いかもしれないが、知識があるともっと面白いジャンルなのだ。そんなジャンルを高レベルで扱うことのできる佐藤大輔はよかったな、と。
レッドサンブラッククロス
レッドサンブラッククロスをたぶん15年ぶりくらいに読み返す。
